一般皮膚科DERMATOLOGY

経験豊富な日本皮膚科学会認定皮膚科専門医が、わかりやすいご説明と的確な診察を提供しています。
皮膚科専門医の診察はさまざまな皮膚トラブルを、できるだけダメージを抑えながら、より早くきれいに治すためのもの。
適切な治療を行うことで、慢性化しやすい皮膚トラブルを解消していきます。


一般皮膚科

患者さまの生活スタイルやご希望に合わせて、よりご負担なく普段の生活をお過ごしいただけるよう配慮した治療を行っています。
皮膚トラブルは早期に的確な治療を開始することで、慢性化を防ぐことができますし、お肌によりダメージなく早く回復します。
皮膚や爪、頭髪に関して、気になることやご不安がございましたら、お気軽にご相談ください。

一般皮膚科について詳しくはこちらをご参照ください。

当院で対応可能な専門的治療


 

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は,慢性的に繰り返すかゆみのある湿疹を主な病変とする疾患です。
主な起因は「アトピー素因」というアレルギーを起こしやすい体質と皮膚バリア機能の低下で、これらによって皮膚への様々な刺激に対して過敏性を示し、慢性的なアレルギー性の湿疹(皮膚炎)を起こします。

治療の目標

症状がないか,あっても軽く,日常生活に支障がなく,薬物療法もあまり必要としない状態に到達し,維持することです。
またその状態に至らない場合でも、症状は軽度で、日常生活に支障をきたすような急な悪化がおこらない状態を維持することを目標とします。

アトピー性皮膚炎イメージ画像

アトピー性皮膚炎の治療の3本柱

薬物療法

アトピー性皮膚炎はこの数年で新しい治療薬が複数でてきており、めまぐるしく進化しております。
当院では新しい選択肢である生物学的製剤やJAK阻害薬へも対応しております。
当院で対応可能な治療の中で、主に新しい治療薬について説明をします。

■ 外用薬
  • ステロイド外用剤

     

  • タクロリムス軟膏(プロトピック軟膏®)

    1999年に世界に先駆け日本で発売された免疫抑制剤タクロリムスの外用剤です。
    ステロイドではない効果の高い外用剤として、発売以降20年以上使われ続けています。
    JAK阻害薬外用剤のコレクチム軟膏®の登場で改めて評価されております。

  • JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬(コレクチム軟膏®)

    2020年発売の、世界に先駆け日本で発売の初のJAK阻害薬の外用剤です。
    2歳以上から使用可能です。

    JAK(ジャック)はヤヌスキナーゼの略称です。JAKは免疫細胞の中で受容体に結合し、炎症を引き起こす細胞内のシグナル伝達をコントロールしています。
    薬の有効成分がそのJAKに 結合することによって、炎症を引き起こすシグナルが細胞核に伝わるのをブロックし、炎症を抑えます。

  • PDE4(ホスホジエステラーゼ)阻害薬 (モイゼルト®軟膏)

    PDE4は多くの炎症細胞に存在します。この薬はPDE4の働きを阻害し、種々のサイトカイン及びケモカインの産生を制御することにより皮膚の炎症を抑制します。

  • 抗アレルギー剤

     

  • 漢方

     

  • 経口ステロイド薬

     

  • シクロスポリン製剤(ネオーラル®)

    T細胞を活性化するシグナル伝達を阻害することで、インターロイキン2などのサイトカイン産生を抑制し、免疫抑制作用を発揮します。
    既存の治療で効果が不十分で、強い炎症が体表30%以上の16歳以上の方に最大で12週間までの処方となります。服用中は腎機能の低下などの副作用に注意が必要です。

  • JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬

    2020年にアトピー性皮膚炎に適応となった新しい治療薬です。
    現在オルミエント®(バリシチニブ)リンヴォック®(ウパダシチニブ)サイバインコ®(アブロシチニブ)があります。

効能

JAK(ジャック)はヤヌスキナーゼの略称です。
JAKは免疫細胞の中で受容体に結合し、炎症を引き起こす細胞内のシグナル伝達をコントロールしています。
内服の有効成分がそのJAKに結合することによって、炎症を引き起こすシグナルが細胞核に伝わるのをブロックし、炎症を抑えます。

副作用
  • 頻度が多いもの

    上気道感染症、気管支炎、帯状疱疹、悪心、腹痛、頭痛、毛包炎など。

  • 重要な特定されたリスク
    • 重篤な感染症(結核、肺炎、ニューモシスティス肺炎、敗血症、日和見感染症を含む)
    • 帯状疱疹
    • 帯状疱疹
    • B型C型肝炎ウイルスの再活性化
    • 間質性肺炎
    • 血栓症(血栓塞栓症、静脈血栓塞栓症、梗塞、肺塞栓症)
    • 好中球減少、リンパ球減少、ヘモグロビン減少
    • 肝機能・腎機能障害
    • 消化管穿孔
  • 重要な潜在的リスク
    • 横紋筋融解症
    • ミオパチー
    • 悪性腫瘍
    • 心血管系事象

導入前には各種血液検査の他、胸部レントゲンなど感染症の有無を見る検査が必要です。
導入後にも定期的な検査が必要です。

適応

既存治療で効果不十分な中等度~重症のアトピー性皮膚炎の方に適応があります。
適応は12歳以上かつ体重30kg以上の方です。妊娠・授乳中は使用できません。
薬剤代は高額で、自己負担のある場合は高額療養費制度を利用します。健康保険組合の付加給付制度を利用できる場合があります。

治療の適応があるかについては診察による判断が必要となります。お電話での回答はできかねますので、本治療について説明をご希望の方は受診ください。

≫詳しい内容や医療費などについてはこちらをご参考ください。リンヴォック.jp

生物学的製剤

当院ではアトピー性皮膚炎の生物学的製剤デュピクセント®(デュピルマブ)とミチーガ®(ネモリズマブ)の処方が可能です。

効能

デュピクセント®(デュピルマブ)は、「IL-4」と「IL-13」という物質(サイトカイン※)の働きを直接抑えることで、皮膚の2型炎症反応(Th2細胞による炎症)を抑制する新しいタイプのお薬です。

方法

初回は院内で注射指導を受けます。2回目以降は在宅でご自身での皮下注射となります。注射に慣れるまでは当院で行うことも可能です。

  • 成人、体重60kg以上の小児、体重30kg以上60kg以下の小児
    投与開始日のみ2本、以降は2週に1回、1本を皮下注射
  • 体重15kg以上30kg以下の小児、体重5kg以上15kg以下の小児
    4週に1回、1本を皮下注射
副作用
  • 感染症(上気道感染、細菌性結膜炎、気管支炎、単純ヘルペス、インフルエンザウイルス、日和見感染症など)
  • 眼症状(アレルギー性結膜炎、細菌性結膜炎、眼瞼炎、眼乾燥)
  • 好中球減少
  • 注射部位の反応、紅斑、掻痒、浮腫
  • 胃腸障害(悪心、下痢)
  • 頭痛、発熱
    などがあります。

導入前には血液検査が必要です。導入後も定期的な検査が必要です。

適応

既存治療で十分な効果が得られない中等度~重症の生後6カ月以上、かつ体重5kg以上のアトピー性皮膚炎の方。妊娠、授乳中は使用できません。

薬剤代は高額で、自己負担のある場合は高額療養費制度を利用します。健康保険組合の付加給付制度を利用できる場合があります。

治療の適応があるかについては診察による判断が必要となります。
お電話での回答はできかねますので、本治療について説明をご希望の方は受診ください。

詳しい内容や医療費などについてはこちらをご参考ください。≫デュピクセント

効能

ミチーガ(ネモリズマブ)は、ヒト化抗ヒトインターロイキン(IL)-31 受容体 Aモノクローナル抗体製剤と呼ばれる生物学的製剤です。
アトピー性皮膚炎の炎症やかゆみの原因となる物質のうち、IL-31(インターロイキン31)と呼ばれるかゆみの発現において重要な役割を担う物質の働きをブロックすることによってアトピー性皮膚炎のかゆみをおさえます。

方法

4週に1回、1本を皮下注射。
初回は院内で注射指導を受けます。2回目以降は在宅でご自身での皮下注射となります。注射に慣れるまでは当院で行うことも可能です。

副作用
  • 感染症 (上気道感染、ヘルペス、蜂窩織炎、膿痂疹など)
  • 紅斑 蕁麻疹 発疹
  • 注射部位の腫脹・内出血
  • 胃腸障害 結膜炎 発熱 頭痛 倦怠感過敏症など

導入前には血液検査が必要です。導入後も定期的な検査が必要です。

適応

既存治療で十分な効果が得られない強い掻痒を伴う13歳以上の小児、成人のアトピー性皮膚炎の方。妊娠、授乳中は使用できません。

薬剤代は高額で、自己負担のある場合は高額療養費制度を利用します。健康保険組合の付加給付制度を利用できる場合があります。

治療の適応があるかについては診察による判断が必要となります。
お電話での回答はできかねますので、本治療について説明をご希望の方は受診ください。

詳しい内容や医療費などについてはこちらをご参考ください。
≫ミチーガを使用される方へ|アトピーのみかた|製薬会社のマルホ

詳しくはこちら

皮膚のバリア機能を補う治療(保湿)

アトピー性皮膚炎では皮膚バリア機能と保湿因子が低下しているため、皮膚が乾燥したいわゆるドライスキンとなります。
皮膚のバリア機能が低下すると色々な刺激に敏感になり、アレルゲンの侵入が容易になるため,皮膚炎が起こりやすくなります。

保湿剤の使用は,皮膚の水分量を改善し,皮膚バリア機能を回復・維持させます。
保湿剤には色々な種類があります。症状や季節、塗りやすさなどを加味しご相談しながら選んでいきます。

スキンケア

皮膚の清潔を保つためぬるま湯で入浴またはシャワーをし、皮膚を流します。
石鹸はかならずしも必要ありません。使用する際は刺激の少ないものを選び、強くこすらずになでるように洗います。
入浴後は保湿をしましょう。保湿は1日2回行うと効果的です。

悪化因子の検索と対策

悪化因子を知り対策をすることは予防、症状の改善においてとても重要です。
症状や問診から生活環境や習慣、食生活などの日常生活を見直します。
必要に応じて血液検査やパッチテストなどを行います。
小さなお子様や採血な苦手な方に適した手の指から数滴の血液でできるアレルギー検査もあります。

アトピー性皮膚炎について詳しくは下記サイトもご参考ください。

https://www.maruho.co.jp/kanja/

https://www.allergy-i.jp/

乾癬

尋常性乾癬

乾癬は、遺伝的素因と環境因子を背景にして免疫系が活性化され、結果的に表皮が過剰に増殖することによって引き起こされる慢性炎症性疾患です。
皮膚が赤くなる、皮膚が盛り上がる、銀白色のフケのようなものが付着しはがれ落ちるなどの症状がみられます。
皮膚症状は全身のどこにでもあらわれますが、頭部や髪の生え際、膝、肘、腰まわりなどのこすれる部位に出やすいのが特徴です。
乾癬は肥満、脂質異常症、高血圧、糖尿病、メタボリックシンドロームなどの関連が指摘されています。

乾癬性関節炎

炎症性の関節炎を伴う乾癬で、乾癬全体の15%ほどを占めます。手足の指先の関節やアキレス腱や足底の腱などに腫れや変形、痛みといった症状があらわれます。腰やおしりに痛みが生じることもあります。
多くは皮膚症状に続いて発症しますが、関節症状が先行する場合もあります。
関節炎が進行すると関節が変形して、生活に支障をきたす可能性が大きいため、早期に症状を見つけて関節炎に有効な治療を始めることが大切です。

治療法

外用療法

外用療法は乾癬治療の基本となります。主にステロイド外用薬と活性型ビタミンD3外用薬です。

光線療法

外用療法で十分な効果が得られないときなどに光線療法が行われます。
紫外線を当てることにより過剰な免疫反応を抑えて、乾癬の症状を改善します。
当院ではナローバンドとターゲット型のUVB紫外線療法を行っております。

詳しくはこちら

内服療法

外用療法や光線療法で効果が不十分で難治な場合に内服薬が考慮されます。

エトレチナート(チガソン®) ビタミンA類似物質で皮膚の角化作用に対し影響を及ぼし、表皮の異常増殖を抑えます。乾燥、肝機能への影響、催奇形性などの副作用があります。
シクロスポリン製剤(ネオーラル®) T細胞を活性化するシグナル伝達を阻害することで、インターロイキン2などのサイトカイン産生を抑制し、免疫抑制作用を発揮します。服用中は血圧上昇や腎機能の低下などの副作用に注意が必要です。
PDE4阻害薬 アプレミラスト(オテズラ®) PDE4(ホスホジエステラーゼ)は多くの炎症細胞に存在します。この薬はPDE4の働きを阻害し、種々のサイトカイン及びケモカインの産生を制御することにより皮膚の炎症を抑制します。副作用は悪心・嘔吐・下痢などの消化器症状などがみられます。

詳しくは下記サイトもご参考下さい。

https://www.kansen-partners.jp/
生物学的製剤

さらに難治性の場合、サイトカインの働きを抑える生物学的製剤が用いられます。
当院では乾癬の生物学的製剤注射は取り扱っておりません。承認施設をご案内致します。

帯状疱疹.jp
帯状疱疹予防.jp